フィリピンのテレビ局「GMAネットワーク」によると、同国政府によって差し押さえられていた北朝鮮の船舶「JIN TENG」の措置が解除され、24日2時(現地時間)、スービック港から出港した。
「JIN TENG」は、国連安保理で採択された制裁決議に基づき同国政府が今月5日、差し押さえていた。
(参考記事:フィリピン政府が北朝鮮船を差し押さえ…新たな対北制裁を履行)フィリピン外務省のチャールズ・ホセ報道官は「国連安保理決議2270で明示された制裁対象が削除されたため、この船舶を抑留する根拠がなくなった」と措置解除の理由を説明した。
また、フィリピン政府の当局者は、国連による検査も行われたが、船内からは不審物などは発見されなかったとも述べた。
一方、沿岸警備局のアルマンド・バリリオ局長は、GMAのインタビューに「国連からの調査団は派遣されていない、調査はフィリピン政府が行った」と明らかにした。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面国連安保理は、北朝鮮のオーシャン・マリタイム・マネージメント(OMM、遠洋海運管理会社)所属の31隻の船舶を制裁対象とした。それに伴い、フィリピン政府は今月3日にスービック港に入港したJIN TENGを差し押さえた。
しかし、中国がこの船を含む4隻は自国の船だと主張、国連安保理に制裁対象リストからの削除を要請した。それに伴い、国連安保理はリストからの削除を行ったという経緯がある。