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アフリカのタンザニア連合共和国から北朝鮮の元外交官が追放処分を受けたことが明らかになった。理由は「偽造パスポート」だった。

タンザニアの「ガーディアン」紙によると、追放されたのは駐タンザニア北朝鮮大使館に勤務経験のある58歳のカン・ソングク氏。カン氏は、偽造パスポートを使用して出入国し、違法な商取引を行っていた容疑で逮捕された。

空港で取り調べを受けた後、永久入国禁止措置を受けた上で、2月23日に国外追放となった。

カン氏は1997年から駐タンザニア北朝鮮大使館で勤務し2001年に帰国したが、2006年以降少なくとも4回、偽名とと生年月日が記載された偽造パスポートでタンザニアに入国した形跡があり、移民局が捜査を行っていた。

同紙によると、カン氏は2004年から2006年までは「ホン・ソングク」、2010年から2013年までは「ホン・コングク」、2015年には「ホン・テオ(Theo Hong)」、今年1月15日には同じ「ホン・テオ」だが英文表記が「Thaeo Hong」と、いずれも偽名を使った偽造パスポートを使用し、タンザニアに入国した。

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タンザニア移民局のウィルソン・バンバガニャ局長は、ガーディアンとのインタビューで「カン氏が偽造パスポートを使用していたことを考えると、違法な商取引に携わっていたことは確実だが、その詳しい状況は掴めていない」「北朝鮮大使館に彼の身元を問い合わせたが、適切な情報が提供されなかったため、彼が違法な商取引を行ったと結論づけ、追放するに至った」と述べた。

カン氏は夫人のヤン・ギョルスン氏と共に違法な商取引を繰り返し、儲けた数百万ドルを金正日氏に上納し、2000年に労力英雄の称号を授与されていたという。

北朝鮮の外交事情に詳しい情報筋が米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に語ったところによると、カン氏は北朝鮮大使館に経済参事官として勤務し、タンザニアに加えてザンビアや南アフリカから象牙、麻薬、武器の密輸を行っていたという。

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また、空港では北朝鮮大使館の職員がカン氏を出迎え、荷物を運ぶ様子も目撃されている。

北朝鮮の外交官は、本国からの「外貨を稼いで上納せよ」との指示に従い、本来の業務そっちのけでビジネスを行っているが、違法な商取引に手を出して逮捕、または追放される外交官が後を絶たない。

タンザニアは、戦闘機のメンテナンスに関連して北朝鮮の支援を受けるなど、軍事分野を含む様々な交流を行っている友好国だ。一方、タンザニア保健当局が今年2月、インチキ医療に加担していたとして、北朝鮮人の医師を逮捕し、経営する病院の調査に乗り出すなど、いくら友好国といえども、座視できないような違法行為が繰り返されている。

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タンザニア以外でも、去年12月にはサイの角の密売容疑で、南アフリカ駐在の北朝鮮外交官が逮捕、追放されている。

バングラデシュではバイアグラの無許可販売、スウェーデンではタバコの大量密輸、ブラジルではキューバ産高級葉巻の密輸など、北朝鮮の外交官による違法行為が後を絶たない。

経済制裁の強化に伴い、合法的な貿易がますます難しくなりつつあることから、このような外交官による違法な商取引がさらに増加することが予想される。