国連の制裁が強化されるなか、北朝鮮の住民達は生活に悪影響が及ぶのではないか、つまり「制裁不況」に戦々恐々としている。ところで、制裁の政治的意味については、どのような反応を示しているのだろうか。

中朝を往来する中国人の情報筋は、デイリーNKに咸鏡北道(ハムギョンブクト)在住の住民の声を伝えてくれた。

「当局はテレビや新聞で、制裁を決めたのは国連だということには言及するが、対北朝鮮制裁決議の具体的な内容は全く知らせない。一方的に米国と韓国が悪いと宣伝するばかりだ」

国連は今月2日、北朝鮮が鉱物資源などを売って得た外貨を、核兵器やミサイルの開発に投入していると見て、制裁決議には鉱物資源の輸出を一部禁止する内容を含めた。また、北朝鮮船舶への検査を行うなど、以前の制裁に比べるとかなり強化されている。

しかし、情報筋が接触した北朝鮮住民は、具体的な内容を知らず「米国と南朝鮮(韓国)が北朝鮮を崩壊させようとしている」と、当局のプロパガンダを信じていたとのこと。

また、茂山鉱山から中国へ輸出される鉄鉱石が、核開発の資金となることや、国連がどのような組織かも知らず、災害に食料や医薬品を送ってくれる組織ぐらいの認識しかないと伝えた。

中国人の情報筋は「北朝鮮の人々は無知で、宣伝を信じ込んでいる」と伝えた。その一方で北朝鮮住民が制裁内容をよく知っているとの情報もある。

人口2500万人の北朝鮮では、370万台以上の携帯電話が普及しており、それを通じて制裁決議の詳しい内容があっという間に全国に広がったと、デイリーNK内部情報筋は伝えている。また、普段から韓国や中国のラジオに接し、情報を得ている人も多い。

前述の情報筋は北朝鮮国内の人ではなく中国人だ。接触した北朝鮮住民が、用心して「無知なふり」をしている可能性も否定できない。また、地方により状況がかなり異なるため、ある地域ではよく知られているが、ある地域では誰も知らないという状況であることも考えられる。

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