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北朝鮮は、これまでも何か起こるたびに戦争ムードを高めてきた。その狙いは、国内統制の強化と内部結束だ。「戦争が起こる」と煽ったうえで、「元帥様の卓越した領導で戦争を回避した」というオチを付けるいつものやり方だ。しかし、こうしたプロパガンダは、あまりにも頻繁に繰り返されるので、もはや効果はない。

いずれにせよ、「戦争の準備をせよ!」という指示に基づき、保安署や教導隊(民間軍事組織)も、武器庫の点検を行うなど、24時間勤務となった。激務が続きクタクタになった保安員の間からは「国際社会の経済制裁で経済が崩壊し苦難の行軍(大量の餓死者を出した90年代末の大飢饉)が再来するのなら、いっそのこと戦争でも起きたほうがいい」といった反応が飛び出す始末だ。

「戦闘的な生活を維持せよ」との指示は、一般住民にも出されている。しかし「腹が減っては戦はできぬ」「苦難の行軍がまた来たらどうするつもりか」などと、冷淡な反応が返ってくるという。