2014年3月29日の朝鮮中央通信「税金のない国、朝鮮」という記事では「税金制度の完全な廃止は、金日成主席の人民愛の輝かしい実現」「主席がチュチェ思想を具現した朝鮮式社会主義を建設する道で積み上げた不滅の功績」などと報じている。
しかし、現実は全く違う。使用料、募金などの名目で、法的裏付けのないカネが税金のような形で、頻繁に徴収されるのだ。
「遺訓政治」が国是である北朝鮮では、金日成氏、金正日氏の過去の政策に問題があっても、公式に撤回することはできない。そんなことをすれば金正恩氏は「祖父と父の政策に歯向かうとんでもない孫」と批判されかねないことから、募金などの「非公式の税金」を徴収せざるを得ないといういびつな形になっている。
北朝鮮の人々は、税金のない国に暮らしながら、税金に苦しめられているのだ。