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北朝鮮庶民にとっては、なけなしのカネを搾り取られるとんでもないキャンペーンだ。反面、トンジュ(金主、新興富裕層)にとっては「絶好のチャンスになる」と語るのはRFAの別の情報筋。

「大規模ビジネスを展開するトンジュは、金正恩第1書記への忠誠心を見せるために多額の募金を行う。それに対して当局は『募金証書』を発行。これが『お守り』として経済活動に大きな効力を発揮する」

自宅で、募金証書を額縁に入れ、金日成氏・正日氏の肖像画の下に掛けておくと、調査名目で保衛部(秘密警察)や保安署(警察署)の係員がやってきても、特に何もせずに帰っていくというのだ。

そもそも、トンジュに限らず、北朝鮮で大掛かりに商売をするには、様々な法律を犯さざるをえない。警察からすると「ツッコミどころ満載」だが、「募金証書」があると、多額の募金をしている、つまり幹部とのコネがあると思われる。下手に調査すれば、自分が不利益を被るかもしれないので、警察官もすごすごと引き下がらざるをえないという仕組みだ。