従来、朝鮮半島出身者やその子孫らについて「韓国・朝鮮」とまとめてきた表記を改め、韓国籍は45万7772人、朝鮮籍が3万3939人と分けて発表した。
ここでいう朝鮮籍は、北朝鮮国籍とイコールではない。朝鮮籍とは、1945年の敗戦直後、まだ韓国も北朝鮮も存在していなかった時点で、日本政府が「朝鮮民族出身者」というほどの意味で付与した記号のようなものなのである。
その後、韓国建国後にも韓国籍に直さず、また日本国籍も取得しなかった人々が、現在も朝鮮籍を保持しているわけだ。だから、そういった人々は必ずしも北朝鮮を支持しているわけではないし、朝鮮総連のメンバーであるわけでもない。
だが、朝鮮籍を保持している人も、その大部分の郷里(ルーツ)は韓国にある。それでも敢えて韓国籍に直さないのは、かつての韓国軍事政権に対する反感や、あるいは北朝鮮に対するシンパシーなど、政治的な信条が理由となっているケースは少なくない。つまりざっくり言って、朝鮮籍保持者の数と朝鮮総連の組織力に連関があると見るのは間違いではないのだ。
これまで、法務省が朝鮮籍保持者の正確な人数を公開したのは1970年のデータまでだったのだが、その時点では実に29万人の朝鮮籍保持者がいた。