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北朝鮮当局は、5万人にも及ぶ労働者を海外に派遣して働かせているが、外出すらままならない徹底した監視、劣悪な労働環境、賃金の遅配や未払いなど、北朝鮮の新たな人権問題として、国際社会から批判を浴びている。

そんななか、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、労働者らの間でも待遇に対して不満が高まり、抗議活動に乗り出す事例も出ているという。

中国吉林省図們の朝鮮族の住民によると、現地の縫製工場で働いていた28歳の北朝鮮女性が、劣悪な待遇に抗議して、勝手に帰国してしまう事件が発生した。この工場では100人以上の北朝鮮労働者が働いているが、5人の北朝鮮当局者が彼らの統制、当たっている。労働者たちは、工場内にある寮で生活し、朝から晩まで長時間働かされ、外出も一切許されないという。

さらに、北朝鮮当局は様々な名目で労働者の給料をピンはねする。工場が北朝鮮労働者に支払う月給は2000元だが、当局は保険などの名目で中抜きされ、手元に残るのはわずか4割の800元だけだったという。これでもマシな方で、当局に給料のほぼ全額をピンはねされる工場もあるという。

そんな息の詰まる生活に労働者の間では不満が高まっていたが、耐え切れなくなった前述の女性が、幹部に対して激しく抗議し、勝手に帰国してしまったのだ。「おとなしくて従順」というイメージがある北朝鮮女性の突発的な行動に、工場内では波紋が広まっている。同工場で働く中国人社員も「あんなことができるのは、彼女に相当なバックがついているからだろう」と噂しているという。つまり高級幹部の娘である可能性があるということだ。

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遼寧省東港の北朝鮮女性労働者の件に精通した情報筋によると、現地でも無理やり残業させる北朝鮮当局に対して、女性労働者が抗議する事例が何件も発生している。

当局は不満を解消するために、カラオケ大会やダンスパーティなどを開催したが、労働者たちは無理やり出席させられて、かえって不満が高まったとのことだ。

一方、相次ぐ海外派遣労働者の人権侵害の実態報告に、北朝鮮当局が反論した。

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北朝鮮の「わが民族同士」は最近、「海外建設者たちを対象に行われる『人権』謀略劇の真相」という動画を公開した。

1996年11月にクウェートの建設現場に派遣中に脱出に成功したイム・ジェイルさんが、北朝鮮の海外派遣労働者の人権侵害の実態について証言を行ったが、動画は「働いていたのはわずか2、3ヶ月で他の国の現場にも行ったことはないのに、実態がわかるわけない」としてすべて捏造だと主張した。

また、「分別の付かない精神病者の吐き気のする醜態に過ぎない」「人間性が低劣で、知的レベルが小学生並みのイム・ジェイルの証言などゴミのかたまり」などと激しく非難した。

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「海外派遣労働者は、国際法や国内法に合致した労働条件を保証され、労働安全規定と建設工法への要求も順守している」などと主張し、エジプトやロシアの労働者受け入れ先会社の職員を登場させ、証言させている。

このような動画の公開は、国際社会の批判が北朝鮮当局に「効いている」ことを示すものだと言えよう。