北朝鮮の政治犯収容所では想像を絶する虐待が現在進行形で行われている可能性があるが、それを止めさせるために、軍事力を行使しようという国はないし、日本政府だって、拉致被害者を救出するためにあらゆる努力を重ねているとは言いがたい。
(参考記事:赤ん坊は犬のエサに投げ込まれた…北朝鮮「政治犯収容所」の実態)また、難民を拒絶するような発言を重ねるドナルド・トランプ氏が米大統領選の共和党候補指名レースで快走しているように、武装勢力「イスラム国」(IS)のテロ圧力の前で、人権の価値はますます相対化している。
シリアと友好関係を結ぶ北朝鮮は、少なくとも間接的にはISと敵対しているが、ISが跋扈する状況が、金正恩氏を側面から助けている構図と言えるのだ。