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北朝鮮体制は、金正日に大きく集中した権力と権威に過度に依存している。これが、これまで内外の複雑で困難な条件の中でも北朝鮮体制を維持することができた主な理由でもあったが、権力交代期にはこの点が最大の弱点になる可能性もある。権力交代が順調に行われなかったり、後継者に重要な欠陥がある時、致命的な問題が生じる可能性もある。

現在、金正日の健康状態は急速に悪化しており、そのため後継作業もかなり急がれているが、後継作業がこれだけ急がれていたら、特別な問題なく進展すると期待するのは非常に難しい。金正日から金正雲への後継作業と、金正日が死亡した後、一定期間金正雲が権力を構築する過程で生じる困難には、具体的にどのようなものがあるのか調べてみよう。

1)金正雲が後継実習の過程で重大な失敗をしたり、もしくはささいな失敗を大げさに報告されたり、でなければ一部でひそかに害する場合、病気で判断力と忍耐力が弱まった金正日との関係に大きなひびが入る可能性がある。

2)金正雲と主要な後継勢力の間に不信やもめごとが生じた場合、金正日が生きている時も問題になるだろうが、特に金正日が死亡した後は、収集がつかなくなって大きな事態になる可能性がある。金正雲は若くて経験があまりなく、人的基盤が弱いため、最低1人以上の後見人が必要だが、世代の違いと政治的性向の違い、業務スタイルに対する相互不信が生じる可能性もあり、後見人が別の考えを抱いたり、根拠なく互いが互いを疑う状況になる可能性もある。後継者というタイトルを持っている金正雲と、政治的基盤がある後見人の間の権力闘争は、とてつもない暴風を起こすことになるだろう。

3)金正日が死亡したり昏睡状態に陥り、金正雲が実質的に統治するようになる時、若い金正雲が党の幹部や軍の幹部が大きな反感を持つような政策を意欲的に推進する可能性もある。金正雲を指導者として受け入れる心の準備がまだ十分できていない幹部たちにこうしたきっかけが与えられ、さらに数人の実力者がこれに火をつければ、権力が大きく揺らぐ可能性もある。

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このような困難にもかかわらず、金日成と金正日がこれまで構築してきた強力な首領独裁体制があまりにも堅固であるため、「国際共産主義の崩壊」や「韓国と中国の影響」という外部の影響があっても、簡単に揺らがない。金正雲が普通の政治能力を持っているだけでもかなりの期間、権力と体制を維持することが可能だろう。しかし、韓国と中国という存在が与える威圧感があまりにも大きく、韓国と中国から絶え間なく入ってくる各種の情報から幹部と大衆を遠ざけることがだんだんと不可能になってきている。

このような条件でも、金正雲の政治的能力が卓越していれば10〜20年ほどの権力維持、体制維持は可能かもしれない。だが、普通または普通よりも少しよいくらいの政治能力しかないとすれば、権力交代の過渡期の困難をくぐり抜けることは難しく、たとえ過渡期をうまく乗り越えたとしても、その後の数え切れないほど多くの困難を克服することは極めて難しいであろう。

北朝鮮の住民にも、もう心の中から湧き出る忠誠心のようなものはあまりない。金正日の場合は80年代から偶像化したため慣性はあるが、金正雲にはそのような慣性もないので、偶像化の過程からして非常にけわしいものになるだろう。だからといって、新しいタイプのリーダーシップを作ることはさらに難しく危険なことだ。恐怖システムもまだそれなりに作用しているが、1度崩れ始めたらどうすることもできずに速い速度で崩壊するだろう。

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北朝鮮の支配エリートが、自分たちの既得権を守るために北朝鮮体制の崩壊を必死に防ごうと努力するので、一定の体制崩壊の現象が現れても完全な崩壊につながらない可能性が高いという指摘もある。だが北朝鮮の支配エリートたちは、北朝鮮体制に対する主人意識が弱く、金正日の臣下という意識が強い。北朝鮮の支配エリートは体制崩壊の兆しの現象が起きた後、初期には忠誠心を誇示するために競争する可能性もあるが、体制崩壊の現象が明らかになってきたら、体制崩壊を防ぐことよりも自分たちが生きる道を探ることに忙しくなる可能性が高い。

金正雲を立たせて、または金正雲を排除した状態で集団指導体制を構築して危機を突破する可能性が高いという見解もあるが、北朝鮮の支配エリートたちは、ただ金正日を中心とした垂直的な体制だけに順応してきたので、水平的な関係をどのように形成して発展させるべきか、ということに対する経験や意識が非常に弱いと見るべきだ。独裁者1人の専制的支配体制がしっかりと固められているので、後継者を取り除いてグループがこれに代わることは極めて難しいと考えるべきである。

北朝鮮の住民は現在、自発的に大規模な民衆蜂起を起こす意識的、組織的な準備ができていない。しかし権力層の中に動揺や不安が生じれば北朝鮮の住民はひどく動揺し、結局、体制崩壊の最後の力が住民から出てくる可能性が高い。そして一部の住民の動揺が、権力層の動揺のきっかけになる可能性もある。

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中国は北朝鮮体制の崩壊を望んでいないが、だからといって崩壊を防ぐためになんらかの積極的な行動を取る可能性も高くはない。北朝鮮の混乱期に中国が軍隊を派遣することは、得るものよりも失うものの方が多いため、中国政府が望むことではないが、客観的条件からして東北アジア全体のはなはだしい混乱を防ぐために軍隊の派遣が避けられなくなる可能性もある。

だがこのような場合にも、中国は完全に破局的な状況を防ぐためにはある程度の努力はするが、旧体制を守護するためになんらかの積極的な役割を果たすことはないと思われる。ただ、中国の意図とは関係なく中国軍が駐屯すること自体が、親中国的な政治勢力、中国式路線に進もうとする政治勢力の力と積極性を急激に強化することになるだろう。

北朝鮮に軍隊を派遣しないからといって、中国政府が北朝鮮の急変事態から完全に手を放すというわけではないだろう。どのような形であれ関与して、完全に破局の状態に陥ることを防ぐために、最大限の努力を傾けると思われる。現時点では、北朝鮮に対する中国の影響力は非常に制限されているが、混乱期になれば中国の影響力は非常に大きくなる可能性があり、こうした力は北朝鮮の完全な崩壊を防ぐ支柱の役割をになうかもしれない。

北朝鮮体制が完全に崩壊しても、北朝鮮のエリートと住民の自己保護の本狽ゥらして、とても異質な韓国式の体制よりは、あまり異質を感じない中国式の体制になることを望むかもしれない。そうなれば、朝鮮労働党が名前を変えて、または名前を維持したまま、その後の政局で決定的な役割を果たす可能性も少なくない。