そんな息の詰まる生活に労働者の間では不満が高まっていたが、耐え切れなくなった前述の女性が、幹部に対して激しく抗議し、勝手に帰国してしまったのだ。「おとなしくて従順」というイメージがある北朝鮮女性の突発的な行動に、工場内では波紋が広まっている。同工場で働く中国人社員も「あんなことができるのは、彼女に相当なバックがついているからだろう」と噂しているという。つまり高級幹部の娘である可能性があるということだ。
遼寧省東港の北朝鮮女性労働者の件に精通した情報筋によると、現地でも無理やり残業させる北朝鮮当局に対して、女性労働者が抗議する事例が何件も発生している。
当局は不満を解消するために、カラオケ大会やダンスパーティなどを開催したが、労働者たちは無理やり出席させられて、かえって不満が高まったとのことだ。
一方、相次ぐ海外派遣労働者の人権侵害の実態報告に、北朝鮮当局が反論した。