核実験や長距離弾道ミサイル発射を強行した北朝鮮に対し、国連安全保障理事会は新たな制裁を決議した。その内容は「過去最強」とも言われるが、国連加盟国の履行には早くも疑問が持たれている。
制裁の履行状況を監視する国連の専門家パネルの最新報告書によれば、2015年に自国の取り組みを国連側に申告したのは加盟国193のうち42カ国。国連安保理は2006年の最初の核実験以降、4回にわたり対北朝鮮制裁を決議してきたが、2006年以降、一度も報告したことのない国は90カ国に及ぶという。
その中には、北朝鮮との軍事協力を秘密裏に維持するため、確信犯的に制裁決議を無視している国も相当数ある。例えば、公安調査庁は2015年12月に発表した『内外情勢の回顧と展望』に次のようなコラムを掲載。北朝鮮とイランが核・ミサイル分野での協力関係を継続している可能性を指摘した。