北朝鮮の李洙墉(リ・スヨン)外相が、スイスのジュネーブで開かれている人権理事会で行った演説を通じて国連人権理事会のボイコットを示唆した。
李外相は「北朝鮮の人権問題を個別化し、政治的に攻撃して圧力を加える会議には参加しない」「そのような会議でいかなる決議が採択されても、不公平とダブルスタンダードの証拠に過ぎない」と述べた。
また李外相は「(米国は)膨大な核抑止力と軍事力を力で押さえつけられないため、人権問題で騒ぎ立てている。北朝鮮を敵対視し、不純な政治目的で人権問題を盗用する国や個人は相手にせず強硬に対応する」と述べた。
さらに「彼らが北朝鮮を攻撃する唯一の証拠は脱北者の証言だけだ。1人あたり5000ドルまたはそれ以上をかけて誘拐、拉致されたのが脱北者だ」「その費用は米国の北朝鮮人権法による資金や韓国や日本が出したものだ」と、脱北者の証言を否定する主張を行った。
韓国のキム・ヨンム駐ジュネーブ次席大使は、李外相の主張に対して「脱北者の証言の信憑性を否定する発言はウソだ。脱北者の存在は2014年の国連北朝鮮人権調査委員会の報告書が指摘した通り、組織的で広範囲に人権侵害が行われている証拠」と反論した。