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労働新聞など北朝鮮の宣伝媒体が、4日から5日にかけてアメリカのビル・クリントン元大統領が訪朝したことを一斉に伝えた。金正日政権は今後、クリントン元大統領の訪朝をどのように処理するのだろうか。言い換えれば、いわゆる「住民教育事業」をどのように推進するのか気になるところだ。

北朝鮮は重要なことがある度に、報道はもちろん、党組職や勤労団体、行政組職などあらゆる手段を動員して、住民に伝達する「宣伝教育事業」を行ってきた。今回のクリントン元大統領の訪朝も、北朝鮮体制の優越性や金正日の偉大さを強調する機会として積極的に活用すると思われる。

官営のメディアは4日に、クリントン-金正日会談について、「金正日同志に、ビル・クリントン元大統領がバラク・オバマ米合衆国大統領の口頭メッセージを丁重に伝達した」と伝え、「偉大な領導者金正日同志は、これに対して謝意を表して、ビル・クリントン元大統領が我が国を訪問したことを歓迎した後、真摯に談話なさった」と報道した。

北朝鮮の宣伝教育資料は対外的に公開される官営メディアの内容と大同小異だが、体制の優越性を強調して、金正日の偉大さを強調するのが目的だ。

宣伝資料の内容は、「スパイ」という判決を下したアメリカの女性記者2人について、「アメリカの前職大統領が直接金正日総書記を訪問して、頭をさげて謝罪し、それに対して金正日総書記は特別赦免という雅糧をお示しになるなど、お心の広い政治をなさった」というものだろうとだいたい予想される。

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また、これまで北朝鮮がミサイル発射や核実験を断行したにもかかわらず、アメリカは対話を通じた解決の立場を明らかにしたと伝え、「将軍様の偉大な外交的勝利」という点も強調すると見られる。

宣伝教育事業の資料は対象によって異なるが、一般の住民の講演資料や幹部の講演資料、党の講演資料、参照新聞、内部資料などがある。

一般の住民向けの講演資料は、人民班や勤労者が見るもので、 幹部の講演資料は幹部が、参照新聞は高級幹部が見るために下逹される。一般の住民や党員のための講演資料の内容は、報道の内容とほぼ同じだ。

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だが、参照新聞は高級幹部だけが読む特殊新聞で、党委員会の部長以上だけに配布される。一般の講演資料とは異なり、国際情勢や分析などがもう少し詳しく具体的に書かれている。

北朝鮮がこのように参照新聞を別に発行するのは、住民に複雑で難しい北朝鮮の内幕が公開されたら、内部の結束にひびが入るという憂慮のためだ。

しかし、参照新聞の内容が一般の住民に伝わることもよくある。北朝鮮の保安政策にも問題があるが、人の心理上、みんなが知っていることについては関心がないが、「秘密」はもっと知りたいという本箔Iな欲求があるからだろう。

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そのためだろうか、北朝鮮が秘密にしている問題が多ければ多いほど、住民たちはもっと知りたがるという本箔Iな欲求が働いて、何らかの経路を通じてその秘密を探り出す人も多い。

何よりも、外部の消息が徹底的に遮られていた時代とは異なり、今は外部の消息がさまざまな経路を通じて絶えず入ってくるため、北朝鮮政府が秘密を保つことも難しくなってきている。

クリントン元大統領の訪朝を、北朝鮮は長々と宣伝している。だが、高級幹部用の参照新聞や内部資料には、現在北朝鮮の核問題をめぐって起きている複雑な国際情勢とその分析、また緊張した国内の情勢に関する一連の分析や資料も添付されて下逹されると思われる。