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核実験やミサイル発射などを強行し続ける北朝鮮に対し、国際社会が今までにない強力な対北朝鮮制裁案を打ち出した。

米国は、北朝鮮に対する強力な制裁決議案の草案を国連安保理に提出。その内容が米国のパワー国連大使により公開された。

パワー大使は「史上初めて、北朝鮮に出入りするすべての貨物船に対する検査を、義務化する」と述べるなど、項目ごとに「史上初めて」と付け加え、安保理が今まで20年間行ってきたどの制裁よりも強力であることを強調した。

今回の制裁案は、北朝鮮が核兵器やミサイルに使う資金の源を締め上げ、違法行為や疑わしい行為を、事前に完全ブロックすることを目的としている。

そのうちの一つに「北朝鮮の港に寄港した船舶が、国連加盟国の領海を通過する場合、条件なしで積み荷の検査を行う」という条項があり、従来の「大量破壊兵器などの疑わしい物質を積み込んだ場合」という条件がなくなった。

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また「違法な物品を積み込んだと疑われる北朝鮮の船舶が、外国の港に入港することを一切禁じる」との条項も含まれており、これに関連して、中国が既に動きを見せている。

中朝貿易の最大の拠点である中国遼寧省の丹東港が、北朝鮮船舶の入港を禁止する措置を取った。

韓国のチャンネルAは、対北朝鮮筋からの情報として、ある中国人実業家が北朝鮮の船舶の丹東港入港について、当局に問い合わせたところ、「許可しない」との答えが返ってきたと伝えた。

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このような制裁が実行されれば、北朝鮮の海路は完全に封鎖されることとなる。

決議案は、北朝鮮の外貨収入源を断つ条項も含まれている。

北朝鮮の小型武器輸出禁止に加え、石炭、鉄鉱石、金、チタン、レアメタルなども禁止対象とされる。大韓貿易投資振興公社(KOTRA)の統計によると、北朝鮮は昨年、10億5000万ドルの石炭を中国に輸出。北朝鮮の対中国輸出全体の42.3%に達するなど、大きな外貨収入源となってきた。

(参考記事:中国、制裁の一環で北朝鮮産石炭の輸入中止か

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制裁案にはまた、違法な銀行取引が摘発された場合、外交官を追放するという内容も含まれている。東亜日報によると、中国工商銀行丹東支店は、北朝鮮人名義の口座への入金、送金を禁止する措置を取っている。

他に、制裁案には北朝鮮への航空燃料とロケット燃料の輸出を禁じる内容も含まれている。

民生用としても使われる原油の輸出を禁止すると、北朝鮮経済の崩壊を招き、情勢の更なる不安定化をもたらしかねないと懸念する見方があったが、純粋に軍事用として使われる航空燃料とロケット燃料に対象を絞ることで、軍事に影響を与える一方で、一般国民の生活に与える影響を軽減させる目的があるものと思われる。

さらに、制裁案は核兵器やミサイル開発に関係する北朝鮮の個人17人と12団体も制裁対象としている。リストは公開されていないが、偵察総局、原子力工業省、国家宇宙開発局などが含まれると見られる。

ただし、年間最大で5万人に達し、莫大な額の外貨収入源となっている北朝鮮の海外労働者派遣は、制裁対象にならなかった。劣悪な環境での労働に対しては、「人権侵害」だとの指摘が絶えないが、違法性の立証が難しかったからだ。

北朝鮮は海外に派遣する労働者の応募条件を緩和するなど、海外派遣労働者の数を増やしており、制裁強化へのリスクヘッジとして利用する動きを見せている。これに対しては、安保理ではなく、人権委員会などの圧力が必要となる。

韓国外務省の担当者は、「前例なき強力で包括的な制裁案」「決議が履行されれば、北朝鮮の核開発は困難になるだろう」と評価した。

ロシアのイリチェフ国連副大使は「ロシアはいつ評決する準備ができるのか」との質問に「来週だ」と答え、その理由として「草案の量が膨大で、分析すべきものが多いため」と答えたと、イタルタス通信が報じた。