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先日、閉鎖された北朝鮮の開城(ケソン)工業団地を北朝鮮の新興富裕層であるトンジュ(金主)が狙っていると、デイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。

開城工業団地は、技術、生産機械、電力のすべてを韓国が提供し、土地と労働力を北朝鮮が供給するという形だった。今回の閉鎖に伴って韓国側の人員はすべて引き上げたが、設備は残されている状態だ。

トンジュたちは、この設備に投資して、操業を再開するという構想を描いていると、平安北道(ピョンアンブクト)の内部情報筋は明かした。

「開城工業団地の生産設備が、そのままになっているという話が元従業員を通じて広がっている。それを聞きつけたトンジュたちが投資を考えているようだ」

中国企業と合弁で、衣類を生産し、輸出しているトンジュは、工業団地内の工場を賃貸すべく、情報収集に入った。知り合いの党や軍の高級幹部に、投資の可能性についておそるおそる聞き出そうとしている。

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一部の幹部は「工場の設備を放置するのではなく、稼働させて敵どもにわが国(北朝鮮)の力を見せつけよう」という議論が始まるだろうという話をしている。工場には現代的な設備が残されているので、決定さえ下さればいくらでも生産が始められるという話をしているという。

トンジュは、中国などから原材料を輸入すれば製品の生産に取り掛かれると見ている。平安南道にある外貨稼ぎ会社「錦織88貿易会社」など賃加工衣料品輸出業者や、国営布工場も、中国から生地を輸入し、国内で生産を行っているからだ。

開城工業団地は軍事地域に指定されたが、外貨が喉から出るほど欲しがっている当局は、遅かれ早かれ創業を始めるものと思われる。核問題があるので、中国企業を引き入れず、国内の資本だけで密かに操業を再開する可能性も排除できないと情報筋は見ている。

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一方で電力難が深刻であるため、すべての工場を北朝鮮で生産した電力だけで稼働させるには無理がある。自家発電機などを使ってとりあえずいくつかの工場だけでも稼働させる可能性もある。