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北朝鮮当局は、労働党員が国の中心階層だと宣伝している。実際、行政機関や勤労団体の末端幹部も労働党員以外はなることができず、出世も見込めない。北朝鮮のエリートを目指す者にとって、労働党員になることは必須の条件だった。

しかし、猛スピードで資本主義化が進む今の北朝鮮では、トンジュ(金主)と称される新興富裕層こそが、北朝鮮を支える階層だというのが一般住民の共通認識だと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝える。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は語る。

「かつては、女性は労働党員と結婚したがる傾向が強かった。それが社会的地位の向上と富の蓄積につながったからだ。最近では金持ちのほうが人気がある。

労働党員になるためにも、また党員になってからも自分のポジションを維持するためには、上役へのワイロが欠かせない。それは、部下から受け取るワイロが財源となるが、部下がいなければ自力で調達せざるを得ない。それで生活苦にあえいでいる労働党員も多いという。

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さらに、今の北朝鮮では労働党員になることがとてもリスキーだと考えられるようになりつつある。

別の情報筋によると、金正恩政権になってから、中央と地方を問わず、多くの幹部が粛清されている。労働党員になり、出世すれば粛清されたり、地方に追放されたりするリスクが高まる。それで、労働党員になりたがらない人が増えているのだ。

清津(チョンジン)市の労働党総務部の幹部は、腎臓の病気を患ったことを言い訳にして、病院に通い職場に出勤しなくなった。そのせいで解任されたが、次の日から市場で商売に励むようになったという。

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党員には様々な無理難題が押し付けられ、ミスを犯したりノルマを達成できなければ処罰される。ワイロも要求される。「党員なんかにならなければよかった」と露骨に不満を示す人もいるとのことだ。

当局の言いなりになっている党員より、市場で商売に励む職盟員(30歳以下の非労働党員)、つまりトンジュの方が社会的地位が高くなる逆転現象が起きている。

住民たちは彼らを「チャンマダンウォン」(市場党員)と呼んでいる。一方で、当局や上役の言いなりになっているが、ワイロが確保できず生活難にあえいでいる労働党員は世間の笑いものになっているーーこれが今の朝鮮労働党員の現状なのだ。