咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は「清津(チョンジン)市羅南(ラナム)区域のある保安員(警察官)は、今月初めに麻薬事件の犯人を無罪放免にする代わりに、自宅のトイレのリフォーム工事をタダでやらせた」と打ち明ける。
悪名高い麻薬事件の犯人を連れて来て、シャワーと浴槽、大きな鏡、さらには洋式の便器まで設置する工事をやらせたというのだ。このようなユニットバスは韓国で一般的なので、保安員も韓流ドラマを参考にした模様だ。
「人は見かけで判断するもの」というのが北朝鮮の常識だ。みすぼらしい格好をしているとどこに行ってもまともに相手にされないが、パリッとしたスーツを着ていると相手は「この人はもしかすると幹部かもしれない、無碍に扱ったら後でひどい目に遭わされるかもしれない」と思い、丁寧な対応をするという。
自宅を韓国風にリフォームするのも、他人に自慢することを越えて、他人より優位に立ちたいからだ。それが北朝鮮での生きる知恵だ。