北朝鮮の体制下においては、たとえ軍幹部といえども、私的な人脈作りを行えば厳しく監視される。実際、1990年代にはある「同窓会」が血の粛清を受けており、それ以来、軍人たちへの統制はさらに強まった。
(参考記事:同窓会を襲った「血の粛清」…北朝鮮の「フルンゼ軍事大学留学組」事件)つまり、「強硬」か「穏健」か以前に「派」を作ることができず、最高指導者の意に反して「暴走」することなどできないのだ。マスコミが「軍部の暴走」と言いたがるのは、さしずめ旧日本軍の「2.26事件」のイメージを引きうつしているだけだろう。
では、今回なぜ「軍の金正恩氏に対する不満」などという情報が浮上するのか。
ベトナムで実戦経験
考えられるのは、軍内のふたつの人種間の対立によるものだ。
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