韓国政府は10日、北朝鮮南部・開城(ケソン)で展開してきた南北協力事業、開城工業団地の稼働を「全面中断する」と発表した。

同政府は、北朝鮮による4回目の核実験と長距離弾道ミサイル発射への対抗措置であると説明しているが、本当の理由は別にあるとの情報もある。

韓国政府は2010年3月に発生した哨戒艦「天安」撃沈事件を受け、同年5月から対北朝鮮制裁措置(5・24措置)を実施。南北交流のほとんどを中断させているが、開城工団は例外とされ、昨年の生産額は過去最高を更新している。

このように例外扱いされてきた大きな理由のひとつが、進出した韓国企業の保護だった。工団に進出しているのはすべて中小企業であり、稼働が止まれば次々に倒産してしまう可能性がある。企業の数も多く、政府として完全に救済するのも難しい。

金正恩体制に揺さぶり

それにもかかわらず、ここへきて全面中断に踏み切ったのは、核・ミサイルよりもむしろ、李永吉(リ・ヨンギル)総参謀長の処刑説が理由であるとも言われている。

韓国の情報筋が話す。

「実は、北朝鮮の軍内部に、金正恩氏に対する不満が溜まっているとの情報があるのです。もしかしたら異変が起きる可能性もあり、工団に駐在している韓国国民を今のうちに退避させて置きたかった。また、北朝鮮側に『まさかそこまでやるか』というショックを与え、金正恩体制を揺さぶる目的もあります」

ただ、金正恩体制が急激に不安定化した場合、韓国の政治経済にも影響が及ぶのは必至で、朴槿恵政権は難しいかじ取りを迫られる可能性もある。

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