韓国軍が北朝鮮向けに行っている「拡声器放送」への対抗措置として、北朝鮮は朴槿恵大統領の非難する内容の宣伝用ビラを大量に韓国にばら撒いている。韓国国防省によると、その数は100万枚を超える。
このビラが数万万単位で落下する「ビラ爆弾」による事故が相次いでいる。しかし、それに対する補償がなされておらず、被害者が泣き寝入りを強いられている韓国メディアが伝えている。
先月14日にソウル郊外で、停められていた車に「ビラ爆弾」が落ちてきて、屋根に穴が空く事故が発生した。その翌日には、自動車検査所の壁が「ビラ爆弾」で破壊された。
今月1日には、共同住宅の屋上に置かれていた水道タンクとベランダのガラスが粉砕される事故が起きた。
しかし、「ビラ爆弾」による損害に対して、韓国政府からの補償は一切ない。今まで同様の事態が起きたことがなく、対策そのものが存在しなかったからだ。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面韓国のアジア経済によると、韓国政府は、延坪島砲撃の時と同様に、災難管理基金、各種交付金、南北協力基金などで補償することを検討したが、法的根拠がないため断念した。国民安全処は会議で「対策が必要だ」をするだけで、何ら話が進んでいない。
警察、韓国軍、統一省も補償に乗り出そうとしないことに業を煮やし、車の所有者は保険会社から保険金を受け取ることにした。
しかし、手にしたのは350万ウォン(約33万4000円)に過ぎない。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面30万ウォン(約2万7000円)の自己負担金を払わさた上に、保険会社から、事故のせいで来年から保険の掛け金を上げるとの通告を受けた所有者は「責任の所在を明らかにするために国家賠償訴訟を考えている」と怒り心頭だ。
ちなみに、中部日報の試算によると、名刺サイズのビラ1枚の重さが1.5グラムだとすると、3万枚のビラは45キロに及ぶ。これが50メートルの高さから落下した場合、その速度は時速216キロに達する。人に当たれば即死するほどの威力だ。
今のところ、「ビラ爆弾」による対人事故は起きていないが、今後発生する可能性は充分にある。