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韓国のソウル首都圏一帯で、北朝鮮が飛ばしたものと思われるビラが大量に発見された。発見されたビラは、14日朝までに数万枚に達する。韓国軍が再開した対北朝鮮拡声器放送への対抗措置と見られる。

韓国軍の合同参謀本部は、12日午後と13日早朝に北朝鮮がビラを飛ばす様子を察知したと明らかにした。これらのビラは現在把握されているだけで13種類に及び、カラー印刷されており、ビニール袋に入っていた。

軍事境界線に面している坡州(パジュ)市やその南側の高陽(コヤン)市では、北朝鮮から飛ばされたものと思われる4種類のビラが発見された。ソウル市内の聖水大橋のそばでは、9種類1000枚に及ぶビラが無造作に置かれているのが発見された。

また、韓国の「イーニュースコリア」によると、米軍基地のある東豆川(トンドゥチョン)市で15枚、議政府(ウィジョンブ)市のニュータウンや駅前では3000枚が発見されている。

さらに、「ニュース1」によると、高陽市の一山(イルサン)ニュータウンで、停められていた車の上に大量のビラが落下し、車の屋根が破損する事故も起きている。軍事境界線の北側から風に載せて飛ばしたとは考えられないほどの量なので、ドローンによる散布も考えられる。ビラには次のようなことが書かれている。

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こうしたビラは朝鮮戦争の時から撒かれるようになった。

内容は「北に来れば賞金が185億ウォン(今の通貨価値で約17億9200万円)もらえる」「教育はタダ、仕事もマンションもタダでもらえて留学までできる」といったものから「金日成主席は永遠に我々と共にいらっしゃる」と言った個人崇拝に関するものまで、質も内容も種類も様々だった。

今からすると馬鹿げた内容に思えるが、韓国より北朝鮮の方が経済的に豊かだった70年代までは、それなりに効果があったで、実際に北朝鮮に亡命した人もいた。

90年代まではソウル市内の公園や山、ソウル近郊の田畑に落ちているビラを見かけることはよくあったが、90年代後半の大飢饉「苦難の行軍」の頃から、見かけなくなった。ビラを印刷をする余裕さえなくなったようだ。

北朝鮮軍は2013年の年末頃に、ソウルから西に200キロ以上離れた韓国のペンニョン島に向けてビラを撒いたことはあったが、今回のような大量散布は異例のことだ。

一方、韓国軍は、2004年6月に宣伝活動を中断することで南北が合意して以降、北朝鮮に向けてのビラ散布は行っていない。しかし、民間人によるビラ散布は行われており、北朝鮮当局が厳しく非難している。

韓国の聯合ニュースによると、右派系脱北者団体「自由北韓運動連合」が13日朝、核実験を糾弾するビラをソウル郊外の金浦市から対岸の北朝鮮に向けて飛ばそうとしたが、この動きを事前に察知した警察により阻止された。同団体は、別の場所から改めてビラを飛ばそうとしたが、警察の監視が続いたため、この日は散布を諦めている。