北朝鮮の市場主義が、猛スピードで進化・発展するなか、閉鎖的で自由な行動が出来ない軍隊は、逆にその波に取り残されているのだ。
つい最近では「軍服」をめぐって軍隊内で殺人事件が起きたと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。事件のきっかけは、中間指揮官が給料で生活できず、支給物資を市場へ横流ししていたことだ。
(参考記事:北朝鮮、軍人同士で殺人事件が発生…犯行に及んだ意外な理由とは?)北朝鮮軍のこうした厳しい現実と弱体化は、既に韓国側に見透かされている。だからこそ、韓国軍は昨年8月の地雷事件以来、「北朝鮮が戦争を決断する前に、先制攻撃で制圧する」という趣旨の「斬首作戦」を公に議論しているのだろう。
(参考記事:韓国で生じかねない金正恩「斬首作戦」の誘惑)もちろん、金正恩氏や北朝鮮指導層も、こうした北朝鮮軍の現実はある程度把握していると見られる。