安倍は首相になる前、「金正日政権のレジーム・チェンジを強いることも辞さない」と言っていた。無論、「対話と圧力」を対北外交の基本軸としている以上、首相として表だって言えないことがあるのは理解できる。
とはいえ、金正恩第1書記が当面、米国などとの外交交渉など求めていないのは、今や明らかだ。それなのに、「圧力をかけて対話の場に引き出そう」などと考えてみても、空回りを続けるだろう。
もはや、北朝鮮の「レジーム・チェンジ」を構想することから逃げていてはいけない。
想起して欲しいのは、抑圧されている北朝鮮の国民の利益と、地域の安定を望む周辺各国の人々の利益は、大きなところで一致しているということだ。民主主義が存在しないことが、金正恩体制が暴走する根本的原因なのである。