警視庁公安部は2日、朝鮮大学校経営学部の朴在勲(パク・チェフン)元副学部長を逮捕した。直接の容疑は詐欺だが、公安部は北朝鮮の工作機関225局(旧対外連絡部)が日本を中継して韓国で政治工作をしていたとされる事件と関連し、朴容疑者の身辺を捜査していた。
公安部は昨年6月、別の詐欺事件で朴容疑者の自宅などを家宅捜索した際、韓国の工作員に政界の情報収集や地下組織の結成などを指示する文書を押収。225局に工作活動の成果を報告する文書も見つかったという。
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公安部によれば、朴容疑者は朝鮮大学校に学生として在学中の1989年、在日本朝鮮人総連合会の非公然組織・学習組(がくしゅうそ)に加入。北朝鮮に数十回にわたり渡航する中、2000年頃に旧対外連絡部のエージェントとしてリクルートされたという。
その後、韓国の反体制運動家や左派系団体のメンバーらと日本国内で接触。韓国の大統領選挙や総選挙の情勢を調べさせたり、地下組織を作らせたりしていたとしている。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面また、中国で北朝鮮の工作員と会っていたほか、韓国にいる工作員に数百万円の工作資金を渡していたと見られるという。
直接の逮捕容疑になった詐欺事件は、朴容疑者が2012年1~8月、偽名のクレジットカードを使い、USBメモリーなどパソコン周辺機器6点(計約1万2000円相当)をインターネット通販で購入したというもの。本人は調べに対し、「覚えていない」と供述しているという。