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北朝鮮は、外貨稼ぎを目的に中国各地でレストランを運営しており、その数は60とも70とも言われている。中でも北朝鮮と国境を接している遼寧省には北朝鮮レストラン、通称「北レス」が集中している。現在、丹東だけで12店舗、瀋陽には10店舗前後が存在し、「北レスの隣が北レス」というほど密集している。

景気低迷でもホテル経営に乗り出す北朝鮮当局

しかし中国経済の減速で北レスが苦境を強いられ、丹東ではこの数ヶ月で3店舗が閉店に追い込まれた。一方、北朝鮮当局は中国でのホテル経営に乗り出した。一体なぜか。

(参考記事:
中国の北レスで、女性従業員に売春を強要か)

ある丹東市民が米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に語ったところによると、北レスが集中している丹東市内の沿江開発区に昨年秋、3つ星クラスのホテルがオープンしたという。

非合法工作の拠点か

客室数は20から30の比較的小規模なこのホテル、看板に中国と北朝鮮の国旗が描かれ、通行人の視線を惹きつけている。近隣では、別の北朝鮮系ホテルがオープンに向けて準備を進めているという。

情報筋はホテルの名前を明らかにしていないが、中国の旅行サイト「CTRIP」によると、このホテルは鴨緑江沿いにあり、オンドルを含め6種類の部屋がある。フロントの壁には国際標準時、北京時間と並んで、平壌時間を示した時計が掛けられている。

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宿泊費は中国人88元(約1610円)、外国人138元(約2530円)からと、中国のビジネスホテルチェーンと似通った価格帯だ。泊まった人からは「鴨緑江が目の前で観光地が近い」「とても清潔」という肯定的な評価がある一方で「うるさい」「クレジットカードが使えない」などの否定的な評価もある。

こうしたなか、このホテルをめぐって様々な憶測が飛び交っている。

部屋には盗聴器や監視カメラも?

今まで中国国内の北朝鮮系ホテルとして数少ない存在だった瀋陽の「七宝山ホテル」が、ハッカー組織の本部など、北朝鮮の非公然活動の拠点だとの指摘がなされているが、丹東の北朝鮮系ホテルも、同様の目的で使われるのではないかというのだ。

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丹東の別の情報筋は、また「小さなホテルでの収入源は宿泊費しかないため、さほど儲からないだろう」「それにもかかわらずホテルをオープンさせたのは別の目的があるかもしれない」と述べた。

さらに「中国人の間では北朝鮮のイメージが良くない上に、北朝鮮当局が部屋に盗聴器やカメラを設置しているという噂があるため、泊まろうとする人はさほど多くないだろう」とも語った。

一方で「観光地で周囲に人が多く、非公然活動を行うには目立ちすぎる」「北朝鮮向け商品の問屋街から2キロも離れているので、ビジネスにも不便」との見方もある。

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中国の貿易業者によると、北朝鮮の公務員が中国に出張する際には、北朝鮮当局が指定したホテルにしか泊まれないことになっている。丹東にはそのようなホテルが5つ存在するが、今回オープンしたホテルも、そのような用途で使われている可能性がある。