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金正日が去年8月頃に脳卒中で倒れた後、病気のため痩せた姿が朝鮮中央テレビを通じて公開されて世間を驚かせた。これまで現地指導などに精を出し、人民の経済生活を指導するという「将軍様」のイメージを作るために努めてきたが、年を取り体が衰弱した金正日の姿を見たら、人民は心配するはずだ。

金正日は社会主義経済の達成を宣伝するための手段として現地指導を利用してきた。特に、人民らしいイメージを見せるために、洋服の代わりに人民服をしばしば着ていた。だが病気で弱った姿からは、人民らしいイメージよりも年をとって力が衰えた人という印象を受けるばかりだ。

金日成の下で政治の経験を積んでいた時、金正日はしばしば洋服を着ていた。だが、後継者として権力の構築に本格的に取り組むようになり、人民に対する将軍様のイメージを作るために、洋服よりも人民服をよく着るようになったという。特に、背が低くて太っている彼の体格は、洋服よりも人民服の方が似合う。コンプレックスを感じていた体形を隠して人民らしいイメージ演出するためにも、人民服ほど良いものはなかったはずだ。金正日がいつも着ているカーキ色の人民服は、縮まった髪の毛と一緒に金正日を象徴する代表的な服装になった。

2000年と2007年に南北首脳会談が開かれた時、金正日の姿が集中的に韓国国内のメディアに取り上げられて、ひとときこのジャンパーが国内でも注目された。

外部に姿を見せることが極度に少ない金正日がメディアの前に顔を出すのは、軍部隊を訪問する時や外国の指導者と首脳会談をする時くらいだ。軍部隊の視察や国内の業務を管掌する時はどうか分からないが、外国の国家首班を迎接した時もこのジャンパーを脱がなかった。

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北朝鮮の高位幹部出身であるユ・シンガン(仮名)氏は、「私自身も北朝鮮にいた時、どうしてあの人は洋服を着ないのかと気になることがよくあった」と言い、「金委員長が洋服を着るのは非常に珍しいが、洋服を着ている昔の写真を見ると、別人のようだ」と話した。

ユ氏は「個人的な考えだが、それでも一国の最高統帥権者なのだから、首脳会談のような大きな行事の時には、洋服を着るのが礼儀ではないかと思う」と言い、「金正日委員長が洋服を着る時は、北朝鮮が改革開放するか大きな変化が予想される時」とも語った。

身体的なコンプレックスを隠すために洋服は着ない金正日

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金正日が洋服を着ない理由は、身体的なコンプレックスを隠すためだからだという意見が多い。

姜哲煥(1992年に北朝鮮を脱出)記者は、高位脱北者の証言をあげて、「金正日はドイツ製の最先端の防弾チョッキをいつも着ているが、この防弾チョッキを着たら自分のふっくらと出たお腹の上に重なって、ひどく飛び出たように見えるから、絶対に洋服を着ることができない」と明かした。

姜記者は「北朝鮮には金正日のジャンパー姿を好む人もいるし、良く思わない人もいる」と言い、「(金正日は)背が低いため、洋服が似合わなくていつもジャンパーを着ていると思っている人も多い」とも話した。

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北朝鮮では、金正日のジャンパーは「人民服」と呼ばれている。ジャンパーの「人民らしい」イメージを利用して、大衆と共にいる指導者の姿を見せようとする、本人の演出と思われる。

姜記者は「自分が開発したと主張しているジャンパースタイルの服は、おべっかばかり言っている幹部が真似して着るようになって、全国の男性でも着られる人は、金正日スタイルのジャンパーを着ている」と説明した。

また「内部では、金正日委員長が洋服を着ないのは、働く姿が好きで素朴でつましいからだと宣伝している」と述べ、「だが金委員長の贅沢は世界中の人がみんな知っている事実」ではないかと皮肉った。

あらゆる高級食材に洋酒、別荘まで持っている金正日に、服に対する欲がないというのは、それだけでも北朝鮮の住民にとっては不幸中の幸いだろうか? 一生質素な暮らしに徹したベトナムの指導者、ホーチミン(胡志明)が残した安価な服がふと頭をかすめた。