では、国連が北朝鮮による拉致(および強制失踪)被害者がどれくらいいると考えているかといえば、その数は20万人である。どうしてそんなに多いのかというと、いわゆる「帰国事業」で北朝鮮へ渡った在日朝鮮人とその日本人配偶者たち、朝鮮戦争で捕らわれた韓国人らが含まれているためだ。
本人の意思にまるで関係なく連れ去られた日本人拉致被害者と、帰国運動で渡り結果的に自由を奪われた人々とでは、発生した経緯がまるで違う。しかし、国連が人権という普遍的な観点からこの問題を見みたとき、これらの人々は等しく救済されるべき被害者になるのだ。
(参考文献:北朝鮮における人権に関する国連調査委員会の報告)
また、相当数の帰国者や日本人配偶者、その子孫が政治犯収容所で凄惨な虐待を受けている可能性が高いことを考えたとき、この人々の救出すべき問題は緊急性を帯びてくる。
(参考文献:国連報告書「政治犯収容所などでの拷問・強姦・公開処刑」)
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とりわけ日本人妻とその子供たちは、日本国民にとっては「同胞」である。日本政府が手を差し伸べずして、どのような救出があり得るだろうか。