数万人を抱える米国の中央情報局(CIA)や国家安全保障局(NSA)には見劣りしても、日本においては単独の情報機関として最大の陣容を誇っている。予算規模も、公安警察と公安調査庁の活動費が約20億円であるのに比べ、情報本部の予算総額は約650億円と巨額だ。
だが、多くのメディアが日本の情報機関として「公安」を取り上げているのに比べれば、情報本部は目立たない存在と言える。むしろ、名前すら聞いたことがない、という人が大多数ではないか。
一般の人々に限らず、「ハム担」と呼ばれるメディアの公安担当記者であっても、情報本部とツテを持っている者はほとんどいない。「それこそが真の情報機関たる所以だ」と、ある自衛隊OBは語る。
公安は「失格」
「我々は日本で唯一の純粋な『情報機関』であって、公安のように政治的な活動はしないし、する必要もない。そして、いつ誰がどこで話したのかも証明できないような“協力者情報”ではなく、物理的に集めた膨大なデータを情報に加工して、国家の安全保障に貢献している」