フランスのAFP通信は、北朝鮮の朝鮮中央通信と平壌支局を開設することで合意に至ったと発表した。平壌に支局を置く外国通信社はAFPのが5社目だ。
AFPは、今年上半期中に開設する平壌支局を通じて、北朝鮮国内で取材、作成した記事を送稿し、映像取材、編集も行う。記者やカメラマンは北朝鮮国内で採用し、AFPの監修の下で取材を行う。また、定期的に特派員を派遣する予定だ。
しかし、平壌支局の開設が、AFP通信の北朝鮮報道に役立つかは疑問だ。
AP通信は2011年に平壌支局を開設しているが、米国の北朝鮮ニュース専門サイト「NKニュース」は2014年12月、AP通信と北朝鮮当局の支局開設についての合意文書を暴露していた。
文書によると、現地採用の記者の人選は朝鮮中央通信が行う。自由な報道が行えるかどうかは極めて疑わしい。AP通信は「検閲を認めない」としているが、外国人記者が常駐せず、北朝鮮人の職員に丸投げする形のため「自己検閲」が行われることは想像に難くない。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面支局と銘打っているが、実体は外国の通信社が朝鮮中央通信の報道を代理で流す形だ。AFP通信と朝鮮中央通信の間でかわされた合意内容の詳細は明らかになっていないが、AP通信などと同様の状況に陥る可能性が指摘されている。