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北朝鮮の金正恩第1書記は、「くだらない」としか思えない命令を乱発するこから、幹部も庶民も呆れている。最近では、核実験による中朝関係を反映したものなのか、中国製品の販売や所持を一切禁じる命令を下している。

今度は、個人業者の製造したキャンディを市場で売ることを禁止したと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

平壌の情報筋によると、禁止令の理由は「国営工場で製造しているキャンディの販売促進のため」と、実にせせこましい。金正恩氏が視察に訪れた工場で製造されているキャンディが売れないとなると、沽券に関わるということのようだ。

今回の「個人製造キャンディ販売禁止令」は、多くの人に悪影響を与えている。

製造、販売していた商人の生計は苦しくなり、頭を抱えている。また、子を持つ親たちは「子どもに飴玉一つすら買い与えられない」と憤慨している。中国製品の販売禁止令が下されたために、キャンディが市場から消えてしまったからだ。

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国営工場製のキャンディは生産量、流通量とも少なく入手が困難だ。仮に販売されていたとしても割高だ。一方、個人が製造するキャンディは安くて量や種類も豊富で、市場で売られているほとんどが個人業者のものだった。また、材料の調達も容易で、高度な技術がなくても簡単に作れる。

「庶民が作ったものも、『元帥様(金正恩氏)からの子どもたちへのプレゼント』と称して配給される国営工場製のものも、質は同じ」(情報筋)だという。

ところが、この「元帥様からのプレゼント」、全部が全部国営工場で作られたものではないというのだ。

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咸鏡北道(ハムギョンブクト)の別の情報筋によると、中央でキャンディの配給を決めたとしても、国営工場の生産量は限られているため、要求された量を確保するのは無理だ。そこで各地方政府は、個人業者にキャンディの製造を依頼して、物量を確保するというのだ。「元帥様からのプレゼントなのに、形も色もバラバラ」であるのは、そういう事情が

情報筋は「庶民の暮らしの実情や市場の現実を全く理解していない当局の愚策」だと激しく非難した。

しかし、このような現実に即していない措置は、数週間から数カ月後に有耶無耶になってしまうのがいつものパターンだ。例えば、「外国産タバコ禁止令」「海産物輸出禁止令」「日本車廃車命令」さらには「金正恩氏のマネ禁止令」など去年1年間だけ見ても、命令が有耶無耶になったケースは枚挙に暇がない。

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このような命令の乱発は、金正恩氏の指導力への疑問を高め、忠誠心の低下を招くだけだ。