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ミネラルウォーターから自動車に至るまで、ありとあらゆるものが中国製品に占領されてしまっている北朝鮮のマーケット。当局は「輸入病(何でも輸入に頼る傾向)の撲滅」「人民生活の向上」を謳い、生活用品の増産に努めていると宣伝している。

蒼光商店を現地指導に訪れた金正恩氏(画像:労働新聞)
蒼光商店を現地指導に訪れた金正恩氏。背後にはプラスティック製のバケツらしきものが陳列されているが、色が違うだけで皆同じデザインだ。(画像:労働新聞)

しかし、「中国製と同じ質なのに値段が高く競争力がない」「種類が少ない」「デザインが悪い」「生産量が少ないせいか、そもそも入荷しない」など様々な理由で、今ひとつ人気がない。

そうこうしているうちに、韓国製品が北朝鮮の市場に流れこむようになってきた。富裕層の奥様方は「韓流高級コスメ」「韓国製高級チマ・チョゴリ」に夢中だ。高級古着でおしゃれするのも流行している。

庶民の間では、韓国製の「ロッテ・チョコパイ」「ヘチャンドゥル」ブランドのコチュジャンが既に定番商品となっている。当局者は、市場で没収した韓国製のコーヒーを飲みながら韓国製品の取り締まりを行うという、コントのような光景が繰り広げられている。

このように韓国製品は、北朝鮮のマーケットで日本製品に変わって高級品として定着したが、今回登場したアイテムは、韓国製の壁紙だ。平安北道(ピョンアンブクト)の内部情報筋によると、最近韓国製の壁紙の輸入が増えているという。その多くが、中国の丹東に立ち並ぶ韓国製インテリア用品を扱う店から取り寄せる形を取っている。当局の取り締まりを避けるために、ロゴは外してあるが、見れば韓国製であることはバレバレだ。

朝鮮語の看板を掲げた商店が立ち並ぶ丹東税関そばの前進街
朝鮮語の看板を掲げた商店が立ち並ぶ丹東税関そばの前進街
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高級マンションの壁紙は、質感も色合いもいい韓国製の「ポン」という壁紙が人気だ。韓国にはないメーカー名なので、北朝鮮国内での通称と思われるが、とてもソフトで触ると立体感が感じられ、驚きを持って受け止められている。

中国製や北朝鮮製とは異なり、壁に湿気があってもデコボコにならず、色あせもしないという評判が口コミで広がり、さらに人気を呼んでいる。

人気なのは壁紙だけではない。韓流は、北朝鮮のマンションの構造すらも変えつつある。

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「韓流ドラマの主人公が住んでいるあんなおうちに住みたい!」そういう人が増えたせいか、最近、平壌や新義州で建てられているマンションは、北朝鮮式の間取りから、韓国式の間取りに変わりつつあるという。

このようなマンションは、広々とした居間を中心に各部屋が配置される形になっている。また、ベランダの外側には大きなガラスがはめられている。部屋の扉のところには段差がなく、キッチンには「流し」ではなく「シンク」が設置されている。

基本装備の場合、インテリアはすべて中国製だが、購入者の要求に応じて韓国製にするオプションがある。そうすると高くなるので、家主が韓国製の用品を取り寄せて自分で内装工事をするケースもあるという。

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例えば、国が建てたマンションには中国製のインターホンが設置されているが、故障が多いので、韓国製のインターホンを取り寄せて、家主自らが取り付けるという。

数年前までは「中国製なしには生活できない」と言っていたが、今では「韓国製なしでは家の内装もできない」と言われるようになっている。「(韓国製品を取り締まるのではなく)韓国製品を模倣してでも経済を復活させるのが、真の意味での韓流対処法」という人もいるという。