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中国には、北朝鮮当局と労働契約を結び、労働者を派遣してもらっている企業が多数存在する。いくら人件費が安いと言っても、北朝鮮に進出するのはリスクが高い。そこで、中国国内の工場に、安い給料でよく働く北朝鮮の労働者を呼び寄せるのだ。

中国人オーナーも、北朝鮮当局も、それなりに儲かる。もちろんピンハネも横行しているが、それなりの給料をもらえて北朝鮮労働者にとって悪くない企業も存在する。

しかし、この仕組みに問題がないわけではない。働いていた北朝鮮女性に夜逃げ同然で一斉に逃げられ、廃業を余儀なくされるレストランが後を絶たないなど、トラブルが頻繁に起きている。

そんな中、縫製工場で北朝鮮労働者が就業を拒否する事態が多発していると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。

北朝鮮の労働者を雇い入れる中国の縫製工場は、今まで韓国企業からの受注を避けてきた。これが労働者を統率している北朝鮮の監督官にバレると、トラブルになるからだ。

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ところが、最近の中国も不況で受注先を選べる余裕がなくなってきた。となると、北朝鮮の監督官、労働者にバレないように韓国企業からの受注を受けなければならない。

受注先を隠しているため、「メイド・イン・コリア」のタグは見せられない。となると、品質検査も疎かになって、欠陥品が多く発生する事態になり、受注先の韓国企業からは「欠陥品が多すぎる」と突き上げを食らう。

一方、韓国からの発注がバレて、労働者が一斉に就業を拒否するなど、縫製工場のオーナーは板挟みになっている。

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ある工場では、北朝鮮の監督官にワイロを渡して、韓国製品の生産に目をつぶってもらっているという。

中朝国境地域で縫製工場を営んでいる別の中国人オーナーによると、北朝鮮の労働者に欠陥品の責任を強く問うと、監督官に「労働契約を破棄して全員を即刻撤収させるぞ」と脅されるため、オーナーは欠陥品発生に伴う損害を泣く泣く受け入れるしかない状況だという。

このオーナーは「北朝鮮国内にある開城(ケソン)工業団地では韓国製品を生産しているのに、中国にある工場では韓国製品の生産を拒否するのは矛盾している」と北朝鮮の方針を批判しつつも「これが中央からの指示によるものかは、まだわからない」としている。

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労働環境や福利厚生、給与面で問題があるならともかく、「韓国製品は嫌」という理由にならない理由で、駄々をこね続けることは、北朝鮮だけでなく、誰の得にもならないだろう。