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北朝鮮社会を統治するシステムだった配給制度は、完全に崩壊。民衆は、市場で商売をして、自分の力で生き抜くことを強いられた。

大人達が、生き残るために死にものぐるいで動き回り、家族や隣人、知人が日常茶飯事のように餓死する状況を、幼い目で見ていたチャンマダン世代にとって、国家も指導者も頼るべき存在ではなくなった。

テレビや新聞は「偉大なる金正恩元帥様の伝説」をすり込もうとするが、チャンマダン世代は、鼻にもかけない。学校や職場の思想教育も、暗記はするが、彼らの心の中に刻み込まれるわけではない。

既に、この世を去った「偉大なる首領様(金日成氏)」や「親愛なる将軍様(金正日氏)」のありがたい話を聞かされても、チャンマダン世代にとっては、どこか遠い国の「おとぎ話」に過ぎない。

(参考記事:金正恩氏の偶像化教育に学校混乱「古代神話みたい

国家に対する忠誠心も抱かず、政策にも関心がないチャンマダン世代は、「花を買うカネを惜しみ、パンを買う」と揶揄される。「花」は、金日成氏の銅像に捧げるもの、つまり忠誠心の比喩。「パン」は、プライベートの比喩だ。つまり、国や指導者のことより、プライベートを優先させるのだ。