すでに知られているように、北朝鮮の拉致犯罪は、日本人に対してのみ行われたものではない。北朝鮮の拉致問題は、多国間の問題なのだ。「北朝鮮における人権に関する国連調査委員会(COI)」の最終報告書(以下、国連報告書)には、様々な国の人々の拉致被害の事例が詳細に述べられているし、同報告書に基づく国連決議もまた、そのすべての問題の解決を求めるものだ。
国連報告書は、次のように述べている。
拉致及び強制失踪の大部分が、朝鮮戦争及び 1959年に始まった在日朝鮮人の帰還事業に関連している。ただし 1960~1980年代に、韓国や日本、他の国々の数百人の人々も拉致及び強制失踪させられている。さらに近年では、北朝鮮は中国から多数の自国民と韓国人を拉致した。