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収容者が食べ物の削減によりやむを得ず行った行為、例えば、看守の食べ残し、動物飼料、収容所での育成作物の盗みなどは、即決処刑を含めた厳罰に処せられた。
- シン・ドンヒョク氏は、7歳位の女の子が数粒をポケットにこっそり入れていたときのことを語った。看守が見つけて棒きれで激しく叩き、その怪我で女の子は死んだ。
「週2回程度、[看守が]子ども一人を選び、何かを隠し持っていないか検査していた。この子は不運にも検査されることになった。ポケットから粒が見つかり、看守がどこで手に入れたかを聞いた。女の子は道で拾ったと答えた。看守は木の棒で叩いて言った。そんなことは教えていない。私の教えに背いたな。女の子は激しく叩かれて気絶し、私たちが母親のもとに連れてゆかなければならなかった。翌日、学校に来なかったので、死んだことが分かった。」
シン氏はまた、収容者たちが床に落じている草や食べかすを看守にみつからないようこっそり食べていたと語った。
「食べているところを看守に見つからないようにしなければならなかった。床に落じている食べかすを食べる許可を看守から得なければならないこともあった。ネズミはたくさんいた。いくらでもいた。収容者たちはネズミを追いかけて捕まえていたが、看守の姿があるときには、仲間のうじでも成績が最も良い者がネズミを捕まえて食べる許可を看守に求めた。看守の機嫌がよいときには許可されたが、ネズミ捕獲が許可されないこともあった。捕まえたネズミが看守に見つからないよう、パンツの中に隠すこともあった。」