キム師範は、10月末か11月初めに「家族に会いに行く。南アフリカには来年戻る」と言って北朝鮮に帰国したとアンドレ氏は語った。
連盟のウェブサイト(外部リンク)によると、キム師範は1987年から2000年までポーランドでテコンドーの師範を務めてきた。2004年からは南アフリカとモザンビークで活動してきた。
韓国の国技院によると、南アフリカではテコンドーが人気のある格闘技で、陸軍では2007年から正式の訓練科目として取り入れている。韓国政府と軍は、師範を派遣するなど、南アでのテコンドー普及に力を注いできた。2008年の世界テコンドー大会では、南アのダンカン・マスラング選手が優勝している。
北朝鮮も、韓国に負けじと海外でのテコンドーの普及に務めてきたが、その旗振り役とも言えるキム師範の事実上の追放は、南アのテコンドー界のみならず、北朝鮮にとっても痛手だ。
ここ最近、北朝鮮の外交官が密輸に関与した容疑で摘発されるケースが世界各地で相次いでいるが、いずれも金正恩第一書記への上納金「忠誠の資金」稼ぎのためと思われる。ノルマが達成できず、処罰を恐れて、違法行為に手を染める北朝鮮関係者が後を絶たない。