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北朝鮮の最高権力機関は、政治局、書記局、検閲委員会、中央軍事委員会で構成される「朝鮮労働党中央委員会(以下:中央党)」だ。しかし、一部の幹部たちの間で、中央党の要職に就くことを望まない空気が流れているという。背景には、金正恩第1書記の恐怖政治の影響がある。

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、海外滞在の北朝鮮情報筋の次のような話を紹介している。

「以前は、幹部らの夢は中央党に入ることだったが、今ではせいぜい中間ぐらいの立場を臨み、それ以上の出世を望まない。10月に崔龍海(チェ・リョンヘ)氏が、家族ぐるみで革命化教育(思想教育)で農場へ送られたが、同時に約10人の労働党幹部が、解任・粛清された」

労働党は、北朝鮮の行政、司法、軍の幹部人事権を握り、日常的に重要部門を監視する機関だ。しかし、金正恩体制になって頻繁に粛清・処刑されていることから、出世を望まないというのだ。なぜなら、出世することは金正恩氏に近づくこと、すなわち粛清、処刑のリスクに近づくことを意味するからだ。

韓国の統一省が、最近発表した北朝鮮の主要機関団体登録簿によると、金正恩体制になってからの4年間で、北朝鮮の党・政・軍の高位級幹部の70%以上が交代させられている。

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例えば、労働党の財政を握る韓光相(ハン・ガンサン)労働党財政経理部長でさえ、数ヵ月間、姿を消し、また登場している。ウォン・ドンヨン統一戦線部第1副部長も同様であり、中央党の高位級幹部の浮き沈みが激しいことが見えてくる。

「内閣や、省庁の中央機関の実務職にいれば、自分の地位を現状維持できる。しかし、中央党は規律が厳しく、少しでもミスをすれば粛清される危険性がある」 (情報筋)

今では、内閣や中央機関などの行政実務職に就く幹部らが、中央党に抜擢されることに消極的になっている。多くの幹部らが、面従腹背・保身主義に走り、金正恩氏と距離を置こうとしている。2013年に金正恩氏の叔父だった張成沢(チャン・ソンテク)氏が処刑されてから、金正恩氏の恐怖政治が強まっているからだ。

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こうした事情から、「ガンで闘病中と伝えられている対米外交の司令塔・姜錫柱(カン・ソクジュ)朝鮮労働党書記の後任でさえ、選べない状況に陥っている」と、別の情報筋は語った。

多くの課題を抱えている中央党だが、依然として金正恩体制を支える中核機関であることには変わりない。韓国の統一研究院は、来年の労働党第7回大会を通じて、金正恩氏は、党の機能と権限をより強化して、自らを支えるエリート陣営を構成しながら、それを公開する狙いがあると見ている。