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彼らは北朝鮮の国外の生活について、より多くの情報を受け取ったので、北朝鮮から逃亡した人は大韓民国にたどり着こうとした。うまく大韓民国にたどり着いた人々は、それから他の家族や親せきを連れてこようとした。人道主義活動家で構成されたり、プロの密輸者で構成されたりした秘密の脱出ネットワークが出現した。北朝鮮市民はしばしばモンゴル経由で中国から大韓民国へ移動した。2007年から、モンゴルルートは、実際上、中国国境の監督がより厳しくなったため、封鎖された。それ以降、北朝鮮市民は通常、ベトナム、ラオス、カンボジアを通って、タイに着き、そこから大韓民国に入った。
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大韓民国の公の統計によると、2013年11月現在、北朝鮮から逃亡した26,028人が大韓民国国民となった。これらのうち、80%以上が国境地域、たとえば、咸鏡道や両江道から来た。そして、70%以上が20歳から49歳であった。北朝鮮から逃亡した人々のなかで、女性の数と所帯の数が一様に増加しているのが見られた。女性の数は大韓民国に定住した人のおよそ70%を占めている。だから、多くの人は中国にとどまったが、北朝鮮から逃亡した人々の70%は女性であったと見積もられる。北朝鮮の市民のかなりの数の人が、アメリカ合衆国、イギリス、日本その他の国々で難民あるいは永住者と認められている。
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一般的に北朝鮮から逃亡する人は秘密で中国に住んでいるので、北朝鮮の国民が現在そこに何人住んでいるのか推計するのは困難である。推計値は大きく変化する一方、時により、変動もあり、2000年代後半に中国から多くの人が強制送還されたのと相まって、国境での監督が再び開始されるのに一致して減少したりしているようだ。
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2005年に、人道機関の Good Friends が推計したところ、北朝鮮国境沿いの中国の村にいる北朝鮮の国民は50,000人であった。2006年には、中国人への質問や韓国―中国対話者や他のNGOのレポートをもとに、International Crisis Group は10,000人と見積もった。ジョンホプキンス大学のコートランド・ロビンソン教授による2010年の調査では、中国の3つの北東地区にいる北朝鮮の国民は6,824人であった。それに北朝鮮出身の母親から生まれた7,829人の子供が加算される。2013年に、統一研究院は中国の国境地区に住んでいる北朝鮮の国民の総数を少数人数の韓国人を含め、見積もった。それによると、2012年には成人が約7,500人(少なくとも4,500人から多くて10,500人ほど)と子供が20,000人(少なくとも15,000人から多くて25,000人ほど)である。