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もっとも、近年では状況に変化も見られる。北朝鮮では、久しく前に計画経済と配給制度が崩壊。国民を食わせられなくなった国家は、人々に自活させるため、なし崩し的に資本主義的な市場ビジネスを認めた。そして、市場ビジネスでは個々人の才覚による優勝劣敗が鮮明になっており、「出身成分」など関係なしに「ノースコリアン・ドリーム」をつかむ、新興の「社長階級」が出現しているのだ。

(参考記事:社長になって「ノースコリアン・ドリーム」をつかめ!

さらに、金正恩第1書記の「出自」もまた、「出身成分」を形骸化させる可能性を秘めている。彼の母親である高ヨンヒ氏は大阪生まれの帰国者だ。本来、大部分の帰国者は「敵対階層」に位置づけられ、権力に近付くことさえ難しかった。そんな血筋を「王朝の血統」の中に取りこんでしまった金正恩体制は、大いなる矛盾に悩んでいるフシがあるのだ。

(参考記事:金正恩と大阪を結ぶ奇しき血脈(1)すべては帰国運動からはじまった

軍隊内の性的暴力

一方、女性に対する差別はどうか。国連報告書はこの問題に非常な関心を寄せている。