金正恩氏が、あえて12月12日に狙いを定めてモランボン楽団を派遣していたとするなら、その目論見は外れた。一方、中国にとっては、この日は「忌まわしい記憶」として記憶されるだろう。双方にとって得る物が何一つない、ドタキャン騒動になってしまった。
高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。