人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

北朝鮮に渡ることを決心したのも、密航船が摘発され、日本政府から強制退去の命を受けたからだ。

北朝鮮で、地方の工場に配属された高ギョンテク氏だが、娘の高ヨンヒ氏(この時は高ヨンジャ)が万寿台芸術団に入団。そこで金正日氏に見初められたことで、一家の運命は大きく変わる。高ヨンヒ氏は1973年の日本公演時に故郷に「凱旋」しているが、それができたのも、彼女に惚れ込んだ金正日氏の配慮によるものだった。

その後、彼女は表舞台から姿を消し、正哲(ジョンチョル)、正恩、与正(ヨジョン)を生む。そして、次男の正恩氏は2011年に金正日氏の後継者として登場するが、既に死亡していた高ヨンヒ氏がその晴れ姿を見ることはなかった。

母親が、北朝鮮で「敵対階層」とされる在日朝鮮人の出身であり、外祖父は日本の軍需工場で働いた「親日派」だった――そんな歴史に北朝鮮当局が触れられるはずもなく、正恩氏の「偶像化教育」をせねばならない教育現場が混乱に陥っているとの話も聞く。