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「白頭山青年英雄発電所」の工事を完了させた北朝鮮は、両江道(リャンガンド)の恵山(ヘサン)と金ファミリーの聖地「白頭山」を結ぶ「白頭山観光鉄道」の建設に力を入れている。

水害で線路が流出した鉄道を、内陸に移転させた上で複線化するというこの工事だが、来年中の完成を目指し農閑期に入った周囲の協同農場の農場員を工事に駆り出していると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。

両江道の情報筋によると、労働者たちは秋までに路盤を土で固める工事と、砂利を敷く工事を急いでいた。10月23日の労働新聞は「10月中旬現在、路盤工事の進捗率は76.2%に達した」と報じた。

ところが、冬の訪れと共に路盤と砂利の工事はできなくなった。寒さで土が凍るからだ。建設指導部は、夏から秋にかけては路盤工事を集中的に行い、冬には岩盤掘削工事を行うスケジュールを立てていたようだ。それに従い、岩盤掘削工事は12月8日から始まったが、そこに農場員が大量に動員されている。両江道は全体が高山地帯で岩盤が非常に多い。岩盤掘削は危険な上に非常に手間が掛かるので、ともかく人手が必要だ。

他にも理由がある。

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両江道の別の情報筋によると、白頭山観光鉄道のルートは中国と非常に近いため、ダイナマイトなどを使った発破も自由にできない。中朝国境を流れる鴨緑江の川幅が狭く、発破により中国側に影響が出かねないためだ。

当初のスケジュール通りに進めるには、冬の間に岩盤掘削をすべて終えねばならないが、ダイナマイトも使えない上に、電気もないため機械を使うことも不可能だ。そのため、大量の人員を動員して、手作業で行うしかないのだ。

一年の農作業を終えてゆっくり休もうと思っていたところにこの動員命令だ。農場員の不満は高まっている。また、農場員の大量動員は、来年の農作業に悪影響を与えかねない。当局は年末までに岩盤掘削工事を終えるスケジュールを立てているが、工事が長引き、来年の農作業に影響が出ることが懸念されている。

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農場の幹部たちは「動員に加えて、堆肥を作るための『人糞集め』のノルマも与えられたが、こんな状況でできるわけない」と当局を非難しているという。

当局は、2016年10月10日の完成を目指している。