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そもそも、北朝鮮は今回の公演を大々的に宣伝していた。朝鮮中央通信は10日、「モランボン楽団は世界的なおしゃれ楽団」と自画自賛する記事を配信。

同通信はまた、プロパガンダを担当する金己男(キム・ギナム)朝鮮労働党書記のコメントや日本を含む海外での注目度の高さを報じながら、公演に大きな意義を付与していた。

それもそのはず、モランボン楽団の中国公演は、単なる興業ではなく、中朝関係の修復を見据えた交流になるはずだったからだ。

中朝関係は2013年に親中派だった張成沢氏が無慈悲に粛清されて以降、すっかり冷え込んでいた。しかし今年10月の朝鮮労働党70周年記念式典に、中国共産党序列5位の劉雲山氏が出席。中国側から手を差し伸べる形で、金正恩氏は関係修復のきっかけを掴んだ。

さらに、中国側の配慮は続く。この式典が終わった直後から、中国側はインターネット上で流れる金正恩氏を小馬鹿にする言葉などを検索不可能なNGワードに設定したのだ。

公開処刑の例も

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中朝双方の歩み寄りのなかで行われるモランボン楽団の公演は、中朝関係の本格的な改善の契機になるはずだった。