疑いが持たれている北朝鮮の口座がマレーシアで複数発見され、アメリカがそれを凍結・封鎖するための措置を取ることが分かった。国連決議に基づく、北朝鮮に対するアメリカの「資金ルート締め」が本格化しそうだ。

アメリカが封鎖の対象を、中国や香港、マカオから、東南アジア諸国の口座にまで拡大させたが、それはアメリカが進めている対北金融封鎖の範囲が拡大したということも意味している。

オバマ政権は先月20日に、北朝鮮のミサイルプログラムを支援した疑いでイランにある香港エレクトロニクスの資産を凍結する制裁措置を取った。

ワシントンの情報消息筋は、「マレーシアに疑わしい北朝鮮の口座が複数あることが分かり、その封鎖に乗り出した」と伝えた。アメリカのオバマ大統領は先月26日に、マレーシアのナジブ・ラザク首相と通話し、マレーシア国内の北朝鮮の口座の凍結を含めて、北朝鮮問題について話し合ったという。

外交界では、北朝鮮がミャンマーに輸出している軍事用の装置などの代金が、マレーシアの口座に振り込まれていることをアメリカが把握していると言われている。そのためアメリカが今回、マレーシアの北朝鮮の口座の凍結に本格的に乗り出したという分析が出ている。

アメリカが05年にマカオのバンコ・デルタ・アジア(BDA)の北朝鮮資金2500万ドルを凍結したことを考えると、マレーシア国内の北朝鮮の口座にもかなりの金額が入っている可能性がある。

韓国統一研究院のパク・ヨンホ先任研究委員は、「アメリカの対北制裁措置が香港やマカオ、ヨーロッパなどで全面的に実施されているため、違法な取り引きに対して疑問を提起するだけでも、世界の国や企業が北朝鮮との取り引きを中断するだろう。もし、BDAほどの資金がマレーシアの口座にあれば、効果もそれだけあると考えられる」と分析した。アメリカは対北金融制裁を公言した後、その実践のために具体的な手続きをとっている。

フィリップ・ゴールドバーグ調整官が率いるアメリカの対北制裁を担当する専従チームが、中国に続いてマレーシアを訪問したのも、今回のマレーシアの口座と関係がある。ゴールドバーグ調整官らは5日にマレーシアの関係者と会って、北朝鮮の口座を封鎖する問題について協議したという。

対北制裁を担当する専従チームが最優先にしていることは、北朝鮮の資金ルートを完全に遮断し、実質的な圧力を北朝鮮に加えることで、北朝鮮の行動の変化を誘導することだ。

またアメリカは、05年にBDAの北朝鮮の口座を凍結させた経験から、北朝鮮の資金の流れに関する資料をたくさん持っている。BDA資金の凍結の主役であるスチュアート・レビー、テロ・金融情報担当次官も、対北制裁を担当する専従チームに参加して、今回の対北金融制裁を主導している。

アメリカのブッシュ前政権の一方的な対北制裁とは異なり、オバマ政権の対北制裁は国際社会の協力を得た制裁だと専門家らは分析している。また、北朝鮮への制裁に対するオバマ政権の意志が硬ければ硬いほど、対北金融制裁措置はさらに拡大して続けられると考えられる。

前出のパク研究委員は、「オバマ政権の対北金融制裁は国際社会が支持していることであり、ブッシュ前政権とは大きな差がある。北朝鮮の2回目の核実験で採択された国連安保理決議1874号をただ履行するだけではなく、また国際社会の支持に基づく制裁であるため、アメリカの制裁はしばらく続く」と説明した。

更に、「ブッシュ前政権は、BDA措置の解除を北朝鮮を6カ国協議に復帰させるために利用したが、オバマ政権は6カ国協議への復帰には利用しないだろう。そのため、北朝鮮にとっては精神的に大きなプレッシャーになるだろう」と分析した。

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