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一例を挙げると、新義州(シニジュ)のトンジュは、自動車の増加で需要が高まっているタイヤを輸入することにした。品定めをした後で外貨稼ぎ会社を訪ね、貸出料を払い貿易許可証を貸してもらう。中国での単価が200人民元(約3780円)のタイヤを輸入する場合には、貸出料として1個あたり25元(約472円)を先払いするという形だ。

これをパーセントに直すと12.5%だが、おそらくコネがあって通常の3割より安くしてもらったケースだ。売れ行きのいい金属類や化学材料を輸入する場合には、高級幹部とのコネがあったとしても、1トンあたり200元を支払わされるという。

会社そのものを貸し出すケースも

貿易許可証はもちろん、トンジュに経営権まで「貸し出す」外貨稼ぎ会社もあるという。本来の経営責任者に商売の才能がなく、求められた忠誠の資金を上納できなさそうな場合は、トンジュに会社をまるごと貸し出して、代わりに稼いでもらう。

会社には貿易許可証の貸出料に加えて、会社の名義を貸し出す多額のワイロに、商売の利益まで転がり込む。忠誠の資金の上納できれば、当局から処罰されることもなく、今後の地位も安泰だ。トンジュは会社の名義を借りたことで、さらに大きな商いができる。