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極寒の時期を迎えた北朝鮮。人々は凍てつく寒さから少しでも逃れようと様々な工夫をするが、銭湯に行くこともその一つだ。

ところが、北朝鮮の銭湯は別の使われ方をしている。詳細を咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えてきた。

各地方都市には「恩徳院」と呼ばれる国営スーパー銭湯が存在する。風呂、サウナはもちろん、理髪店、美容室もあり、食事まで楽しめるレストランまで併設されている。

これだけ豪華な設備を取り揃えているのに、客足は非常に鈍い。 それもそのはず、シャワーからお湯が出ず、浴槽にもお湯が張られていないというのだ。一風呂浴びるには、10リットルのバケツに水を汲んで、石炭ストーブで温めなければならない。水が温まるまでは寒さに震えつつ待たざるを得ない。

さらに、石炭ストーブから出る煤煙が室内に充満して、臭くて息が詰まるという。これでは楽しみに行ったのか、苦しみに行ったのかわからない。

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一方、トンジュ(金主、新興富裕層)が経営する銭湯は、全くの別世界だ。火力の強いブナの木を薪にしてお湯を温めているので、逆に湯気で息が詰まるほどだという。

設備も一流ならば、値段も一流だ。恩徳院の一般料金は500北朝鮮ウォン(約7.5円)、VIPルームは1500北朝鮮ウォン(約22.5円)だが、トンジュの経営する銭湯は2000~3000北朝鮮ウォン(約30~45円)、VIPルームはその2倍から3倍だ。

さらに、中学校を出たばかりの若い女性の垢すりサービスもある。料金は、入浴料は別で2万北朝鮮ウォン(約300円)だ。サービスがよければ1万北朝鮮ウォン(約150円)のチップをはずむ。最近は垢すりが流行して、どこの銭湯でも女性従業員を雇おうとしている。このサービスは夜にだけ行っていることを考えると、売春行為が行われている可能性は十分にある。

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既に民間経営の銭湯のVIPルームでは、売春や不倫が横行している。トンジュや幹部が女性と二人で入って事に及ぶというものだ。男女カップルが恩徳院のVIPルームを使うには、公民証(身分証明証)を見せて夫婦であることの確認を受けなければならず、夫婦でない場合には係員にワイロを支払わなければならない。

一方、民間経営の銭湯ではその必要もない上に、施設もよいので、事実上のラブホテルと化しているようだ。