北朝鮮と日本のメディアに惑わされた在日朝鮮人

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今から56年前の1959年12月14日、夢と希望に満ちた在日朝鮮人と日本人妻を含む975人が、旧ソ連の軍艦を改造した貨客船、クリリオン号とトポリスク号の二隻に乗って北朝鮮へ出発した。在日朝鮮人帰国事業の第1陣である。

マンセー(万歳)という歓喜の声と赤旗で見送られた彼らは、「地上の楽園」と喧伝されていた北朝鮮で新たな未来を切り拓くはずだった。しかし、それは大ウソだった。総勢約9万人の帰国者は、日本で貧困と差別に苛まれていた時以上の過酷な人生を送ることになる。

一つの疑問が浮かぶ。なぜ、在日朝鮮人は北朝鮮の宣伝に騙されてしまったのか。そのナゾを解く手がかりは、帰国事業を伝えた報道にあった。

産経新聞が賞賛した北朝鮮

今でこそ、実情がある程度明らかになっている北朝鮮。ただ、1950年代は情報も少なく、本国から朝鮮総連を通じて伝えられるプロパガンダしか存在しえなかった。