金氏王朝確立に立ちはだかる障壁

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2011年12月、金正恩は、金正日の後を継ぎ、北朝鮮は金日成氏から続く三代世襲国家となった。基本的に、王朝は血族によって世襲される。北朝鮮が目指す先にあるのは、故金日成を始祖とする血族、すなわち「白頭の血統」を柱とした王朝、「金氏朝鮮」だ。

しかし、金正恩が王朝体制を確立するためには、実母・高ヨンヒの存在は最大の壁となって立ちふさがる。

帰国者たちが、北朝鮮で辛苦をなめたのは、単に貧しい国だったからではない。帰国者=よそ者ということで差別されたからだ。北朝鮮には「出身成分」という独特の身分制度がある。上から「核心階層」「動揺階層」「敵対階層」の3種類に分けられるが、一部の能力を持つ者以外の大部分の帰国者は「敵対階層」に位置づけられた。

最下層の高ヨンヒは、どのような足跡を歩み、ファーストレディーになることが出来たのだろうか。

(つづく/敬称略)

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※一般的に、高ヨンヒは「高英姫」と記されるがこれは間違いである。正確な漢字名は不明だが、彼女が舞踊家だったことを考えると「踊(ヨン:용)」の字を取って踊姫(ヨンヒ)ということが考えられる。

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高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記