道端で顔を合わせると「カネはまだか」としつこく言う。もし、払わなかったり払えなかったりしたが、延々と嫌味を言われるという。
こうした費用は、名目上は中央からの指示で、人民班長が国の代理で徴収しているが、その過程で不正が多発。サバを読んで指示されたより大目に徴収し、差額を「ネコババ」するのだ。たとえ数千北朝鮮ウォンでも、数十人、数百人から何度にも渡って集めると「チリも積もれば山となる」だ。
今年8月には市内の水南(スナム)区域楸坪洞(チュピョンドン)の事務長が、3000万北朝鮮ウォン(約45万円)を横領していたことが発覚し、保衛部(秘密警察)に逮捕される事件が発生している。
しかし、情報筋は「3000万北朝鮮ウォンの横領なんて序の口だ」「浦港区域青松(チョンソン)3洞の事務長は、莫大な額のワイロを中央の高級幹部に渡しているため、どんな不正を働いていても誰も手が出せない」と語った。